録音で「ピチャ」と鳴る?リップノイズとは何か&防止・除去の方法を紹介!
録音をしていると、なぜか「ピチャッ」「プチッ」といった不快な音が混ざっていることはあります。せっかくの収録がこのような音によって台無しになった経験はないでしょうか。これらは「リップノイズ」と呼ばれるもので、アフレコやナレーション、歌の録音などでよく発生します。
今回は、リップノイズの正体から起きる原因、効果的な防止策、そして録音後にリップノイズを除去する方法までわかりやすく解説します。クリアで聞きやすい音声を収録したい方は、ぜひ参考にしてください。
5.まとめ
リップノイズとは何か?
リップノイズとは、唇や舌の動きに伴って発生する「ピチャ」「プチッ」「ペチャ」といった小さなノイズ音のことを指します。
これらの音は、話し手本人にはほとんど気づかれないことが多いもの、コンデンサーマイクのような高感度マイクで録音すると明確に拾われ、目立ってしまいます。わずかな雑音であっても、声の明瞭度を損ない、録音全体の音質に悪影響を与える原因になります。
そのため、ポッドキャストやオーディオブック、ボーカル録音、ナレーションなど、プロフェッショナルな音声制作では、リップノイズの発生をできるだけ抑えることが大切です。
リップノイズが起きる主な原因
リップノイズが発生する原因はさまざまですが、主に次の4つが挙げられます。
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- 1唇や口内が乾燥する
- 唇や口内が乾いていると、唇同士や唇と歯の間に摩擦音や粘着音が生じやすくなります。
- 2唾液が多く分泌される
- 逆に、唾液の分泌量が多いこともリップノイズが起きる原因の一つです。口の動きに伴って唾液の気泡が弾ける音や、舌と上あごがくっついて離れる際の「ピチャッ」という音がマイクに拾われ、目立ってしまいます。
- 3マイクとの距離が近すぎる
- マイクが口に近すぎると、息や口内の微細な動きに伴う雑音まで拾ってしまいます。
- 4録音前の発声準備不足
- 発声前にウォーミングアップをしていないと、口周りの筋肉がほぐれておらず、余計なノイズが出ることがあります。
リップノイズを防止するには
リップノイズは、録音前にひと工夫をするだけで大幅に抑えることが可能です。以下のような方法が特に効果的です。
1.録音前に水分補給をする
録音前に水を少しずつ飲むことで、唇や口内を適度に潤すことができます。大量に飲むと、かえって唾液の分泌が促されるため逆効果です。冷たい水や炭酸飲料は喉を締めてしまうので避け、常温の水を飲むのがおすすめです。
また、リップクリームを塗ることで、唇の潤いをキープでき、リップノイズの発生をより抑えやすくなります。
2.口腔内を清潔に保つ
録音前の歯磨きやうがいを行うことで、食べかすやベタつきなどを取り除くだけでなく、唾液の分泌を整えて口内環境を清潔に保つことができます。これにより、リップノイズを防止しやすくなります。
3.マイクの位置を少しずらす
マイクが口に近すぎると、息や口内の微細な動きまで拾ってしまいます。
そこで、マイクを口の正面ではなく、少し斜め上または横方向に向け、鼻の高さあたりに設置すると、息や唾液音を直接拾いにくくなり、リップノイズの発生を抑えることができます。
4.唇や口のストレッチを行う
発声前に「ぱぱぱ」「ままま」といった軽いリップロールや口のストレッチを行うことで、唇や口周りの筋肉をほぐし、リップノイズを防げます。ナレーターや声優も実践している、基本的かつ効果的な方法です。
5.ポップガードを使用する
ポップガードは、マイクと口の間に設置するメッシュ状のフィルターで、「プフッ」「パフッ」といったポップノイズを軽減するために使用されますが、リップノイズを防止するのにも効果があります。
市販のポップガードはもちろん、ストッキングを枠に張った自作タイプでも代用可能です。息や唾液によるノイズを物理的に遮断できるため、特に高感度マイクでの録音時に大きな効果を発揮します。
録音からリップノイズを除去する方法
録音前に対策をしていても、全てのリップノイズを防止することは難しいものです。そんなときは、リップノイズ除去専用のツールを使って後から修正するのが必要です。
ここでは、初心者でも簡単に使える3つの方法を紹介します。
1.Aiarty Video Enhancerでリップノイズ除去する
すばやく手軽に録音からリップノイズを除去したいなら、AIによる自動処理が可能な「Aiarty Video Enhancer」がおすすめです。
動画の高画質化ソフトとして知られていますが、AIノイズ除去機能も優れており、人の声を保ちながら、リップノイズ・ポップノイズ、ホワイトノイズなど、さまざまな雑音や環境ノイズを自動で消すことができます。
このソフトは深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムを活用しており、ノイズと人の声を高精度に識別できます。録音内のリップノイズや雑音を効果的に除去し、音声をよりクリアに聞き取りやすく仕上げます。
- 1Aiarty Video Enhancerを起動し、リップノイズを除去したい動画ファイルを読み込みます。
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- 2右側パネルの「音声ノイズ除去」をオンにします。AIが自動的に音声のリップノイズ・ポップノイズ・雑音を検出して除去。
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- 3再生ボタンで結果を確認し、問題なければ「選択項目を書き出す」をクリックしてノイズ除去したファイルを希望の形式でエクスポートします。
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Aiarty Video Enhancerで音声ノイズ除去を行う手順についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページの使い方も併せて参考にしてください。
Aiarty Video EnhancerのAI音声ノイズ除去機能を説明。 Aiarty Video EnhancerはAIを活用して数秒で音声・動画から背景ノイズをスムーズに除去し、スタジオ品質の音声を生成できます。
Aiarty Video Enhancerは、ノイズ除去に加え、動画の画質向上、フレーム補間、カラー補正も 対応しているため、1本で映像と音声の両方を効率的に改善できます。動画全体の品質の向上に役立つ、非常に便利なツールです。
2.Audacityでリップノイズを除去する
無料でリップノイズを除去したい場合は、定番の音声編集ソフト「Audacity」も便利です。ノイズ修復機能を活用すれば、波形を見ながらリップノイズや短い雑音を手作業で消すことができます。
- 1Audacityを起動して、録音ファイルを読み込みます。
- 2波形上でリップノイズの箇所をズームインして確認します。

- 3メニューバーの「エフェクト」→「ノイズ除去と修復」→「修復」をクリックすれば、リップノイズを除去できます。
一方で、手作業による除去は時間がかかるため、大量の音声を処理したい場合や高精度を求める場合は、Aiarty Video EnhancerのようなAIツールとの併用が効率的です。
3.Dolby Onでリップノイズを除去する
スマホで録音するだけでなく、リップノイズを除去したい場合は、無料録音アプリの「Dolby On」がおすすめです。スマホで歌声や楽器演奏を録音できるほか、ノイズリダクション・トリミング・トーン調整などの編集機能も備えています。
- 1アプリを起動し、中央の赤い録音ボタンをタップして録音を開始します。
- 2録音終了後、「Tools」→「Noise Reduction」をタップします。
- 3スライダーを動かして、ノイズ除去の強さを調整します。
Dolby Onは録音後にリップノイズや環境音を抑制できるため、録音と同時にノイズ処理を行いたい場合に最適です。一方で、他のアプリやボイスメモで録音した音声を読み込んで処理することはできない点には注意しましょう。
まとめ
リップノイズは、唾液の状態や発声方法、マイク位置など様々な原因が複雑に絡み合って生じてくるものです。
防止策としては、適切な水分補給、ポップガードの使用、マイク位置の調整などが有効ですが、それでも完全に防ぐことは難しいのが現実です。そのため、後処理による除去が重要なステップとなります。
| ソフト・アプリ | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| Aiarty Video Enhancer | AIによる自動ノイズ除去+画質強化 | ★☆☆(初心者向け) |
| Audacity | 無料で細かい波形編集が可能 | ★★★(中級者向け) |
| Dolby On | スマホで録音+ノイズ除去 | ★☆☆(初心者向け) |
中でも「Aiarty Video Enhancer」は、AIが音声全体を解析して、リップノイズ・ブレス音・ポップノイズなどを自動で除去してくれるため、最も自然でハイクオリティな仕上がりを実現します。
録音中の「ピチャッ」「プチッ」といったリップノイズに悩んでいる方は、ぜひAiarty Video Enhancerを試してみてください。
この記事を書いた人:かほ
画像補正や写真加工を中心に、最新のAIソリューションやソフトウェアなどに関する役立つ情報をタイムリーにお届けします。
