Audacityノイズ除去の決定版!ホワイト・サー・プチプチ音を消すと「こもる・できない」時の解決策
動画制作やポッドキャスト、歌の録音で、オーディオ編集ソフトAudacity(オーダシティ)を使っている皆さん。「サーッ」というホワイトノイズや「プチッ」というクリック音に悩んでいませんか?
「Audacityでノイズ除去を試したけれど、音質が不自然にこもってしまう」「設定を強くしたら、水中で話しているようなケロケロした音になった」「設定が複雑で、どの項目を触ればいいか分からない」
この記事は、Audacityを使ったノイズ除去の「基本」から、多くの方がつまずく「こもり」や「失敗」の解決策までを、最新情報を踏まえて徹底解説する決定版です。
ノイズ除去は「完璧な無音」を目指すものではなく、「必要な音声を、聴きやすく自然な状態にする」ための技術です。そのための基本原則とプロの現場でも使われる調整のコツをご紹介します。
2. Audacityノイズ除去の決定版!ホワイト・サー・プチプチ音を消す
3. Audacityのノイズ除去で「こもる」「できない」時の解決策6つ
- 解決策 1:ノイズプロファイルの再取得と再確認
- 解決策 2:ノイズ低減量を「下げすぎ」てみる
- 解決策 3:「EQ(イコライザー)」で失われたクリアさを補う
- 解決策 4:元の録音環境を見直す(根本的解決)
- 解決策 5:AIプラグインの活用
- 解決策 6:Audacityの強力な代替ソフトの活用(ベストソリューション)
4. まとめ:Audacityノイズ除去で音声品質を劇的に改善
5. よくある質問(FAQ)
1. Audacityとは?ノイズ除去機能について
Audacityとは、無料で利用できる高機能なオーディオ編集ソフトウェアです。
ノイズ除去機能が搭載されており、録音時に混入したヒスノイズやクリックノイズなどの不要な音を、音源を劣化させずに除去することができます。
ノイズ除去は「ノイズの低減」と「クリックノイズの除去」の2つの主要な方法があります。
- @、ノイズの低減:空調や環境音のような背景に常に存在するノイズを、まずノイズのみの区間を選択して「ノイズプロファイル」を取得します。その後、除去したい部分全体を選択して適用すると、ノイズが軽減されます。
- A、クリックノイズの除去:「カチッ」といった瞬間的なノイズ(クリックノイズ)を、より手軽に除去できる機能です。
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2. Audacityノイズ除去:ホワイト・サー・プチプチ音を消す
では、Audacityを使ったノイズ除去の最新ノウハウを、日本のユーザー向けに丁寧に解説します。
ノイズ除去で悩むボイス録音/ポッドキャスト/YouTube/オンライン会議の音声・収録環境に、ぜひお役立てください。
@、ノイズ除去の基本:「ノイズの低減」機能を使う(3ステップ)
Audacityのノイズ除去機能は、非常にシンプルで強力です。まずは基本の3ステップをマスターしましょう。これは主にホワイトノイズやハムノイズ(ブーンという音)に有効です。
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STEP1:ノイズプロファイルの取得(「ノイズだけの部分」を教える)
まず、音声ファイルの中で「ノイズだけ」が録音されている部分(無音部分や、声が入っていない部分)をマウスでドラッグして選択します。
- @、メニューバーの「エフェクト」をクリック
A、「ノイズの低減」を選択
B、ウィンドウ下部の「ノイズプロファイルの取得」をクリック
これでAudacityに「この音をノイズとして認識してね」と教え込むことができました。
- @、メニューバーの「エフェクト」をクリック
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STEP2:トラック全体への適用
- @、次に、ノイズ除去を適用したいトラック全体を選択します。
A、キーボードで Ctrl + A(Macは Command + A)を押してトラック全体を選択するか、トラック名部分をクリックして全選択します。
B、再度「エフェクト」→「ノイズを低減」を選択します。
- @、次に、ノイズ除去を適用したいトラック全体を選択します。
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STEP3:パラメータ設定と適用
ノイズ低減の具体的な設定(パラメータ)を調整します。
パラメーター名 おすすめの初期設定 役割と注意点 ノイズ低減(dB) 6〜12ノイズをどれだけ削るか。強くしすぎると音質が不自然になる(こもる)ため、最初は控えめに。感度 6低いほど元の音を尊重。通常はデフォルトのままでOK。周波数平滑化 3ノイズ除去による音の不自然さをなめらかにする。プレビューで音を確認しながら、「ノイズが十分に減り、かつ声(必要な音)が不自然にならない」最適な設定値を探し、「OK」をクリックして適用します。
A、【深掘り】ホワイトノイズ・サー音を消す「最適設定」のコツ
最も一般的なノイズである「サーッ」というホワイトノイズ対策は、上記Step3の「ノイズ低減(dB)」の調整にかかっています。
ノイズ低減量を上げすぎない
多くの失敗例は、ノイズを完全に消そうとして「ノイズ低減(dB)」を12dB以上、時には20dB近くまで上げてしまうことです。
- 良い設定:ノイズを「聞き取りづらいレベル」まで下げる(6〜12dB)
- 悪い設定:ノイズを「完全に無音」にしようとする(強すぎる低減量)
💡【理由】:ノイズを強く削りすぎると、人の声に含まれる高音域(子音など)まで一緒に削られ、その結果、声がこもったり、水中で話しているようなケロケロした不自然な音になってしまうためです。
周波数平滑化で「こもり」を緩和する
設定を調整しても「こもり」が残る場合は、「周波数平滑化」の値を「0」から「3」の間で試してください。
これにより、ノイズ除去処理の境界線がなだらかになり、不自然さが緩和されることがあります。
B、プチプチ音・クリックノイズ対策:「クリックノイズの除去」機能
「ノイズの低減」で消しきれない、パチッ、プチッ、ザーッという突発的な音や、アナログ録音のようなノイズには、専用のエフェクトを使用します。
- @、ノイズを除去したい部分、またはトラック全体を選択します。
- A、「エフェクト」→「クリックノイズを除去」を選択。
以下のパラメータを調整します。
| パラメーター名 | 役割 |
|---|---|
| しきい値 | どのレベルのノイズを「クリック」と見なすか。値が小さいほど高感度になり、小さなクリック音も検出します |
| 最大スパイク幅 | クリックノイズと見なす時間の長さ。長い(大きい)設定はより多くのノイズに対応しますが、声まで除去してしまうリスクが高まります |
最初はデフォルト設定(しきい値:100、最大スパイク幅:30程度)で試してみて、効果が薄ければしきい値を少しずつ小さくしてみましょう。
ノイズ除去は、「低減しすぎないこと」と「元の音源が勝負」であることを忘れずに、ご自身の声に最適な設定値を見つけてください。
Audacityには、ノイズ除去以外にも音声をプロのレベルに近づけるための強力な機能が多数搭載されています。
Audacityのノイズ除去で「こもる」「できない」時の解決策
Audacityのノイズ除去を試みた結果、「音がこもる(ケロケロする)」、または「ノイズが全く消えない」という最も一般的な問題に焦点を当て、その解決策をまとめます。
解決策 1:ノイズプロファイルの再取得と再確認
問題:ノイズを消すと声までこもってしまいます。
原因:STEP 1(ノイズプロファイルの取得)で、「ノイズではない音」や「微かな声の一部」を選択してしまった可能性が高いです。
対処法:
- ➡️ 必ず 完全にノイズだけの部分(無音部分。できれば5秒程度)を選び直してください。
- ➡️ 選択した部分の波形を拡大し、ノイズ以外の突発的な波形(クリック音、息の音など)が含まれていないか確認しましょう。
解決策 2:ノイズ低減量を「下げすぎ」てみる
問題:低減量を調整しても、わずかにこもりが残ります。
原因:ノイズの周波数と声の周波数が近すぎるため、ノイズ除去の処理が声の成分も削ってしまっています。
対処法:
- ➡️ ノイズ低減(dB)の値を 6dB以下 まで思い切って下げてみましょう。
- ➡️ ゴール設定の変更:ノイズを「完全に消す」ことを諦め、「BGMや会話の裏で目立たなくなる」レベルをゴールにします。
- ➡️ プロの現場でも、ノイズは完全に消すのではなく、目立たなくするのが基本です。
解決策 3:「EQ(イコライザー)」で失われたクリアさを補う
問題:ノイズは消えたが、声がモコモコして聞き取りにくい。
原因:ノイズ低減によって、声の「倍音」や「子音」が含まれる高音域が失われてしまいました。
対処法:
- ➡️ ノイズ除去後のトラック全体を選択し、「エフェクト」→「グラフィックEQ」を選択します。
- ➡️ 4000Hz (4k) 〜 8000Hz (8k) あたり(高音域)のゲインを、+2dB〜+4dB程度持ち上げます。
これにより、失われた「サ行」や「タ行」の明瞭さが補われ、声の「こもり」を解消できます。
解決策 4:元の録音環境を見直す(根本的解決)
問題:どの設定を試してもノイズが消えない、または音質劣化がひどすぎます。
原因:Audacityのような後処理ソフトで対応できるノイズ量には限界があります。
- ノイズが大きすぎる(ノイズと声の音量差が小さすぎる)。
- ノイズが一定でない(例:車の通過音、不定期なファンの回転音)。
対処法:
- ➡️ マイクと口の距離を近づける:これが最も重要です。声の音量を相対的に大きく録音します。
- ➡️ ノイズ源を止める:録音時だけエアコン、空気清浄機、PCの冷却ファンなどを一時的に停止または遠ざけます。
外部音声を録音して入力する時に入ったノイズを軽減するために、人はさまざまな方法を使います。この記事で、ノイズキャンセリングマイクと、ノイズを軽減する設定、そしてすでに作成した音声からノイズを軽減する方法をご紹介します。
解決策 5:AIプラグインの活用
Audacityの標準機能(解決策1〜3)で限界を感じた場合、AI(人工知能)を搭載したプラグインを導入するのが現代の主流です。
1. OpenVINO AIプラグイン(Audacity公式サポート)
Audacityは、Intelが開発した「OpenVINO」を用いたAIプラグインを公式にサポートしています。
導入方法:
- 1「エフェクト」メニュー → 「プラグインマネージャー」→ 「ほかのエフェクトを取得」からOpenVINOプラグインをダウンロードします。
- 2インストール後、Audacityを再起動します。
- 3「エフェクト」→「OpenVINO AI Effects」→「OpenVINO Noise Suppression」から利用可能です。
- なぜAIプラグインが良いのか?
- » ノイズプロファイルが不要:AIが自動で「声」と「それ以外(ノイズ)」を識別します。
- » 声の成分を保護:従来のノイズ除去が苦手だった「声と周波数が近いノイズ」や「突発的なノイズ(キーボード音、反響音)」に対しても、声の成分を極力残したままノイズだけを抑制します。
結果:「こもり」や「ケロケロ音」が発生しにくいのが最大の特徴です。
2. 高性能な「VSTプラグイン」の導入
Audacityは「VST」という規格のプラグイン(追加機能)に対応しています。OpenVINO以外にも、世の中には音声に特化した高精度なAIノイズ除去VSTプラグインが多数存在します。
- 代表的なAI VSTプラグイン(例):
- » iZotope RXシリーズ (業界標準)
- » Waves Clarity Vx
- » Bertom Denoiser (高品質な無料プラグイン)
- » Goyo (ノイズ・反響・声の分離に特化)
これらはAudacityに組み込むことができ、標準機能では不可能だったレベルのクリアな音質を実現可能です。
標準機能で限界を感じた場合、これらの現代的なツールの導入が、品質を劇的に向上させる最も確実なステップとなります。
解決策 6:Audacityの強力な代替ソフトの活用(ベストソリューション)
Aiarty Video Enhancerは、特に「動画ファイル(.mp4など)に含まれる音声」のノイズ除去において、定番の音声編集ソフトAudacityの強力な代替となり得ます。
Audacityは音声ファイル(.wav, .mp3)の編集が本領であり、動画ファイルの音声を処理するには「音声を抽出」→「Audacityで編集」→「動画に再結合」という手間がかかります。
Aiarty Video Enhancerは、この動画ファイルのまま音声処理を行える手軽さが最大の魅力です。さらに、従来のノイズ除去(Audacityの標準機能など)が苦手としていた不規則なノイズ(風の音(「ボーボー」「ゴーゴー」)、車の走行音、キーボードの打鍵音、カフェのざわつき、反響音、不要なBGMなど)も、AIによって声の質感を保ったまま効果的に除去できます。
Aiarty Video Enhancerの概要:
- » 分類:AI搭載の「動画高画質化・修復ソフト」
- » 得意分野:.mp4などの動画ファイルを直接扱い、画質(解像度アップ、手ブレ補正)と音質(ノイズ除去、音声明瞭化)を同時に改善すること。
- » ノイズ除去方式:AI(人工知能)による「音源分離」方式。
Aiarty Video Enhancerのメリット:
- ワンクリック(オプションON)で「聞き取りやすい声」を実現
- 声の質感を保ちつつ、背景ノイズだけを強力に除去
- 映像の修復(本来の得意機能)と同時に実行可能
Aiarty Video Enhancerの使い方 ― ノイズ除去の利用手順:
ご利用のパソコンのOSに応じて、下記のボタンをクリックし、対応するソフトウェアをダウンロードしてください。
ダウンロードしてインストールが完了しましたら、以下の手順に従って操作するだけで、動画(音声)を完璧にノイズ除去することができます。
- 1Aiarty Video Enhancerに動画ファイル(.mp4など)を直接読み込みます。
- 2「音声ノイズ除去」オプションをオンにします。
(内部でAIモデルが音声全体を分析し、「人の話し声」と「それ以外の音(ノイズ)」を自動で識別・分離します。) - 3(必要なら解像度アップなど高画質化も同時に設定し)動画ファイルとして書き出します。
「動画の音声を、手軽かつ確実にクリアにしたい」― そんなニーズをお持ちであれば、映像と音声を一括で処理できるAiarty Video Enhancerは、Audacity以上の利便性と効果を発揮する、非常に有力な代替ソフトと言えるでしょう。
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【期間限定】Aiartyの大感謝セール開催中! - 最大67%OFF最新AIモデル搭載、次世代AI搭載の動画高画質化・復元ソフト。
原価:33,000円セール価格:16,980円(永久版3台|税込み)
まとめ:Audacityノイズ除去で音声品質を劇的に改善
Audacityでのノイズ除去は、適切な手順(特に 解決策1 と 解決策2)を理解すれば、誰でも効果的に行うことができます。重要なのは、完全な除去を目指すのではなく、聞き手に気にならない程度まで低減することです。
現在、AI技術の進歩により、Audacity公式サポートの「OpenVINOプラグイン」や、iZotope RXに代表される高性能な「AI VSTプラグイン」、Audacityの強力な代替AIノイズ除去ソフトなど、新しい選択肢が豊富に登場しています。
従来の方法で満足いく結果が得られない場合は、これらの最新テクノロジーも検討してみてください。本記事で紹介した方法を参考に、クリアな音声を手に入れてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ノイズプロファイルが取得できない/効果が出ないのですが?
選択範囲が「声や音楽入り」の部分だったり、ノイズの種類が変動していたりすると効果が出にくいです。
まずは“純粋な背景音”だけを選びましょう。併せて、Audacityのメニュー「Effects → Plug-in Manager」でNoise Reductionが有効か確認してください。
Q2. 処理したら音声がこもってしまった/ロボット声になった。どうする?
Noise Reductionの「Sensitivity」や「Noise Reduction(dB)」を少しずつ控えめにし、プレビュー機能で音声の明瞭さが保たれているか確認しましょう。
また、除去後にEQやコンプレッサーで声を整える手順を入れると改善します。
Q3. プチプチ音だけどうしても消えないんですが?
プチプチ音は「短い衝撃ノイズ」であることが多く、Noise Reductionでは十分に消せないことがあります。
Audacityの Click Removal や Repair 機能を使い、場合によっては波形を拡大して手作業で修復するのも有効です。
Q4. AIノイズ抑制機能って使った方が良いですか?
フォーラム上では「今後AudacityでもAIベースのノイズ除去が主流になるだろう」という投稿があります。
現時点では伝統的なノイズプロファイル方式+補助ツールが確実ですが、興味があればAIプラグインの導入も検討してみる価値があります。
この記事を書いた人:ミユキ
Digiartyに従事し、現在は主にAI系の記事制作(人工知能ソリューションの活用方法、ソフトウェア、トレンド情報)を担当しています。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。
