AIで高画質化!アップスケーリング再生フリーソフト7選|VLCよりキレイな動画に

古いビデオカメラで撮った思い出の映像や、スマホで撮影した低解像度の動画、粗さが気になっていませんか?
「もっと高画質で見たいけど、VLCメディアプレイヤー以外に方法はないの?」
実は、無料で動画を高画質化できる優秀なフリーソフトが数多く存在します。
この記事では、最新版の無料で使えるアップスケーリング再生ソフトを厳選し、それぞれの特徴と選び方を分かりやすくご紹介します。
(1)、アップスケーリング再生とは?なぜVLCだけでは物足りない
アップスケーリング再生とは、低解像度の動画をAI技術で高解像度化し、より美しい映像で楽しむ技術です。たとえば、昔の480p動画をフルHD(1080p)や4K相当に引き伸ばして再生できます。
VLCメディアプレイヤーのような一般的な動画再生ソフトにも、画質を調整する機能はあります。しかし、それはシャープネスやノイズ除去といった、基本的な処理にとどまります。AIが映像の細部を補完・再構築するような本格的な高画質化には対応していないため、VLCだけでは物足りなさを感じるでしょう。
AIアップスケーリングのメリット
AIを使ったアップスケーリングには、次のようなメリットがあります。
- デバイスの容量を節約できる: 低画質で保存した動画も、必要な時に高画質化できるため、スマートフォンのストレージ容量などを節約できます。
- 大切な思い出を鮮やかに: 古いホームビデオや懐かしい動画も、最新の映像のように蘇らせることができ、思い出をより鮮明に残せます。
- 視聴体験が向上する: 動きが滑らかになり、映像がクリアになることで、より快適に動画を楽しめます。
従来の補間法(バイリニア法やバイキュービック法など)とは異なり、AIアップスケーリングは単純に画素を補うだけでなく、AIが細部の情報を推定して補完します。そのため、より鮮明で自然な拡大が可能になります。

本記事では、初心者向けにアップスケールとは何かから、「動画や画像の解像度を上げるための最新技術」「おすすめのアップスケーリングツール」まで詳しく説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
(2)、VLC不要!おすすめのアップスケーリング再生ソフト7選
VLCメディアプレイヤー以外にも、無料で高画質表示できるアップスケーリング再生ソフトは多数あります。
ここでは特に評価が高く、便利な7つのソフトを紹介します。以下の比較表を参考に、目的やPC環境に合わせて最適なものを選んでください。
無料アップスケーリングソフト比較表
ソフト名 | 対応OS | 価格 | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
Aiarty Video Enhancer | Windows、Mac |
無料体験 |
AIで高画質化、最大4K対応、ノイズ除去、フレーム補間、色補正、字幕トラックのコピー |
複雑な設定は苦手だけど、高画質化を試したい人 |
AviUtl | Windows |
無料 |
プラグインで機能拡張可能、徹底的に無料 |
無料でとことんこだわりたい、技術的な挑戦が好きな人 |
HandBrake | Windows、Mac、Linux |
無料 |
老舗の変換ソフト、傳統的なアルゴリズムでアップスケーリング |
とりあえず動画の解像度を上げたい、シンプルな操作が好きな人 |
NVIDIA RTX VSR | Windows |
モデルによって価格が違う |
NVIDIA GPU搭載PCで利用可能、ブラウザやVLCなど再生動画をリアルタイムAI処理 |
対応PCを持っている、オンライン動画も高画質で見たい人 |
mpv / mpv.net | Windows、macOS、Linux |
無料 |
軽量、高カスタマイズ性、シェーダーでリアルタイムアップスケーリング可能 |
リアルタイムでサクサク再生したい、上級者向けの設定を楽しみたい人 |
PotPlayer | Windows |
無料 |
軽量ながら高機能、NVIDIA RTX VSR対応 |
軽快な動作と高画質再生を両立させたい人 |
MPC-BE | Windows |
無料 |
シンプルで直感的、NVIDIA RTX VSR対応 |
複雑な機能は不要で、シンプルに高画質再生を楽しみたい人 |
では、各フリーソフトの詳細情報を見ていきましょう。
@、AIで手軽に高画質化したいなら「Aiarty Video Enhancer」
「Aiarty Video Enhancer」は、AI(人工知能)技術を活用した動画高画質化ソフトウェアです。低解像度やノイズの多い動画をAIが解析し、単なる拡大(アップスケーリング)ではなく、ノイズ除去、シャープ化、ディテールの復元などを同時に行うことで、最大4K解像度の高画質な動画へと変換します。これにより、元から高画質で撮影されたかのような映像を実現します。
特徴は、その処理能力がクラウドではなくローカルマシンで行われる点です。インターネット接続が必須ではなく、動画データが外部サーバーにアップロードされる心配がないため、プライバシー保護に優れています。
操作は比較的シンプルで、初心者でも取り組みやすいでしょう。
無料版では、1本の動画あたり120秒(2分)までの処理という制限があり、出力動画に透かしが入る場合があります。ただし、公式サイトで期間限定のライセンス配布キャンペーンを実施している可能性もあるため、最新の詳細条件は公式ページで確認することをおすすめします。
- 📌 アップスケーリング品質:非常に高い
- 🔂リアルタイム再生:❌ 不可
- 🎯 おすすめポイント:プリセットで手早く高画質化を体験できます。
- ⚠️ 注意点:無料版の処理時間や機能制限、キャンペーン条件は変動する可能性あり。
A、無料でプロ並みの編集・高画質化を追求するなら「AviUtl」

「AviUtl」は日本製の高機能な無料動画編集ソフトです。プラグインを導入することでアップスケーリングを含む多彩な処理が可能になり、無料でありながら高度なカスタマイズ性が魅力です。ただし、導入やプラグインの管理、細かい設定は手動で行う必要があるため、やや取り扱いに慣れが必要です。導入時には、豊富な導入ガイドや活発なコミュニティを参照すると良いでしょう。
AviUtlは、無料で高機能な動画編集ソフトですが、「アップスケーリング再生」を目的とする場合、基本的にプラグインの導入が必須となります。AIによる自動的な高画質化を求める場合は、専用のAI動画高画質化ソフト(例えば「Aiarty Video Enhancer」など)の方が、より手軽で高い効果が得られる可能性があります
-
粗い映像も極上の4Kに。あの大切な思い出、最高の画質で永遠に。
使いやすさ:★★★★★
Aiarty Video Enhancerは、最先端AIがあなたの動画を劇的に高画質化。SD画質の古い動画も、くっきり鮮明な4K品質へと生まれ変わらせます。
しかしながら、AviUtlは自身のPC環境や用途に合わせて柔軟に機能をカスタマイズしたい人、そして無料で高度な編集を追求したい人にとって、非常に有力な選択肢となるでしょう
- 📌 アップスケーリング品質:プラグイン依存
- 🔂リアルタイム再生:❌ 不可
- 🎯 おすすめポイント:無料でありながら、プラグイン次第でプロ並みの処理が可能。
- ⚠️ 注意点:希望の効果を得るにはプラグインの導入や手動での細かい調整が必要で、一定的な技術力と学習コストが求められます。
B、シンプルな操作で解像度を上げるなら「HandBrake」

「HandBrake」は、古くから多くの人に利用されているオープンソースの動画エンコーダーです。
このソフトウェアは、動画の形式変換だけでなく、解像度を変更する機能も備えています。具体的には、「アプコン」とも呼ばれるアップスケーリング(低解像度から高解像度への変換)にも対応しています。
ただし、HandBrakeのアップスケーリングは、AIで新しいディテールを生成するものではありません。そのため、元の映像を単純に引き伸ばして拡大する「補間」による処理となります。
アップスケーリングに特化したAIソフトウェアのように、失われたディテールを復元したり、ノイズを除去したりするような画質向上の効果は期待できません。
しかし、単に動画の解像度を変更したいという目的であれば、HandBrakeはシンプルで使いやすく、非常に便利なツールと言えるでしょう。
- 📌 アップスケーリング品質:標準
- 🔂リアルタイム再生:❌ 不可
- 🎯 おすすめポイント:非常にシンプルで直感的な操作。広く使われており、情報が豊富。
- ⚠️ 注意点:AIを使用しない傳統的なアルゴリズム(バイキュービック補間等)のため、画質がぼやけたり、ドットが潰れたりする可能性があり、画質向上効果はAIソフトに比べると見劣りします。
C、NVIDIAユーザーなら試すべき「RTX Video Super Resolution(VSR)」

NVIDIA RTX VSRは、NVIDIA GeForce RTX 30シリーズ以降のグラフィックスカードに搭載されている、AIを活用した動画アップスケーリング技術です。低解像度の動画を再生する際に、画質をリアルタイムで向上させ、高解像度のディスプレイでも鮮明な映像を楽しめます。
NVIDIA RTX VSRは、動画ファイルを個別に変換するフリーソフトではありません。従来の「アップスケーリング再生フリーソフト」は、動画ファイルを読み込んで、高解像度のファイルとして出力するツールが一般的でした。しかし、VSRは再生時に画質を自動的に向上させる機能であり、PCに特定のグラフィックカードが搭載されていれば、特別なソフトをインストールすることなく利用できます。
この技術は、「アップスケーリング再生」を目的としたハードウェアベースの機能であり、従来のソフトウェアとは異なるアプローチを提供しています。そのため、「アップスケーリング再生フリーソフト」を探しているユーザーに対しては、「もしPCのグラフィックカードがNVIDIA RTXシリーズであれば、特別なソフトは必要なく、ドライバーの設定だけで手軽に高画質再生が可能になる」という情報を提供することが重要です。
- 📌 アップスケーリング品質:高い
- 🔂リアルタイム再生:可能
- 🎯 おすすめポイント:対応環境では、再生するだけで自動的に高画質化が行われ、非常に手軽。
- ⚠️ 注意点:NVIDIAのGeForce RTX GPUが必須です。処理負荷が高く、ノートPC使用時はバッテリーの消耗が早まる可能性があります。最新のドライバーと設定が必要です。
D、軽量でカスタマイズを楽しみたいなら「mpv / mpv.net」

mpvは、様々なOSで動作する軽量なメディアプレーヤーです。CUIベースのツールですが、GUIを搭載したフロントエンドも多数存在します。一方、mpv.netは、mpvをベースにしたWindows専用のメディアプレーヤーで、標準でGUIを備えています。手軽に利用できるのが特徴です。
mpvとmpv.netは、軽量で高度なカスタマイズができるオープンソースプレイヤーです。Anime4KやFSRCNNxといった外部シェーダーを導入すれば、再生中にリアルタイムで動画を高画質化できます。ただし、シェーダーファイルの配置や設定ファイルの編集が必要なため、上級者向けの作業となります。
mpvとmpv.netは、高品質なアップスケーリング機能で知られています。特に低解像度の動画を再生する際に、より高画質で表示することが可能です。これは、FSRCNNX、RAVU、NNEDI3といった様々なシェーダーやアルゴリズムを組み合わせることで実現されています。
- 📌 アップスケーリング品質:高い (シェーダー依存)
- 🔂リアルタイム再生:🔺 シェーダー依存
- 🎯 おすすめポイント:動作が軽快で、カスタマイズ性が非常に高い。
- ⚠️ 注意点:アップスケーリング機能を利用するには、シェーダーファイルの配置や設定ファイルの編集などある程度の技術的な知識と手順が必要です。
E、高機能プレイヤーで高画質化も目指すなら「PotPlayer」

PotPlayerは、韓国のKakao Corp.が開発したWindows向けの無料メディアプレイヤーです。AVI、MP4、MKVといった主要な動画ファイル形式に加えて、DVDやBlu-ray、Web動画も再生できます。
最大の特長は、非常に軽快に動作することです。起動が速く、高画質な動画もスムーズに再生できるため、ストレスなく動画を視聴できます。シンプルで広告のないインターフェースも、動画鑑賞に集中できるポイントです。VLCと同様に多機能で人気が高く、豊富なフィルターや設定機能により、再生時の画質調整も可能です。
また、NVIDIAのRTX VSR機能が動作する可能性もあり(環境と設定に依存)、特にアップスケーリング再生を目的にフリーソフトを探している方には、非常に優れた選択肢となります。軽快な動作に加えて、シャープ化やノイズ除去といった高度な映像処理機能も無料で利用できる点が大きな魅力です。
低解像度の思い出の映像や古い動画を、最新のディスプレイでより美しく楽しみたい方は、ぜひPotPlayerを試してみてください。
- 📌 アップスケーリング品質:標準
- 🔂リアルタイム再生:🔺 シェーダー依存
- 🎯 おすすめポイント:機能と軽快さのバランスが良く、カスタマイズ性も比較的高い。
- ⚠️ 注意点:PotPlayer自体に専用のAIアップスケーリング機能があるわけではなく、他の技術(如VSR)に依存します。環境によっては効果を実感しにくい場合もあります。
F、シンプルな見た目が好きなら「MPC-BE」

MPC-BE (Media Player Classic - Black Edition) は、アップスケーリング再生に優れた無料のメディアプレイヤーです。そのシンプルなインターフェースと軽量性から、多くのユーザーに支持されています。
MPC-BEがアップスケーリングで高く評価されるのは、多様なフィルタやレンダラを自由にカスタマイズできる点です。たとえば、MPC Video Rendererなどの外部レンダラを組み合わせることで、NVIDIA VSRなどを利用したリアルタイムアップスケールも可能になります。ただし、使用するレンダラやドライバの相性は導入前に確認が必要です。
MPC-BE本体にはアップスケーリング機能は内蔵されていませんが、MadVRやLAV Filtersといった高性能な外部レンダラを導入することで、非常に高画質なアップスケーリング再生を実現できます。特にMadVRは、低解像度の動画を高度なアルゴリズムで高解像度化することで知られています。
- 📌 アップスケーリング品質:標準
- 🔂リアルタイム再生:🔺 シェーダー依存
- 🎯 おすすめポイント:見た目がすっきりしていて、直感的に使えます。
- ⚠️ 注意点:RTX VSR機能を利用するには、対応環境と設定の確認が必要です。
(3)まとめ:無料で始める高画質動画アップスケーリング
動画のアップスケーリングは、有料ソフトやVLCメディアプレイヤーだけが全てではありません。ご紹介した無料ソフトやPCの標準機能を活用すれば、驚くほど高画質な再生が実現できます。
ご自身のPC環境や目的に合わせて、最適なツールを選んでみてください。
- ✅ 保存している古い動画や低画質な動画ファイルを、高画質な別ファイルとして変換・修復したい → Aiarty Video Enhancer
- ✅ とにかく手軽にストリーミングや再生中の動画をキレイに見たい → NVIDIA RTX VSR (※RTX GPU必須)
- ✅ 再生プレイヤー自体を高機能化し、自分で細かく画質調整をカスタマイズしたい → mpv / mpv.net
- ✅ 無料で多機能な動画編集環境を構築し、プラグインで高画質化も行いたい(手間は厭わない) → AviUtl
- ✅ 動画の変換・エンコードが主目的で、その一環としてある程度の画質調整も行いたい → HandBrake
- ✅ とにかくシンプルで安定した再生を求め、標準的な画質調整機能で満足できる → PotPlayer や MPC-BE
これらのツールを使って、懐かしい古い動画や低解像度の動画を見違えるほど美しくよみがえらせ、より快適な動画ライフを楽しみましょう。

この記事を書いた人:ミユキ
Digiartyに従事し、現在は主にAI系の記事制作(人工知能ソリューションの活用方法、ソフトウェア、トレンド情報)を担当しています。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。