4Kアップスケーリング:動画(SD/HD/フルHD)を4K画質に変換して、テレビやゲーム機器で再生できる

皆さんは、お気に入りの昔の動画やDVD、Blu-rayを4Kテレビで見た時、「なんだかぼやけて見えるな…」と感じたことはありませんか? あるいは、最新の4Kゲーム機を持っていても、一部のゲームがネイティブ4Kに対応しておらず、物足りなさを感じたことは?
そんな悩みを解決してくれるのが、「4Kアップスケーリング」です。
現在、この技術は驚くほど進化し、もはや一部のマニアだけのものというわけではありません。この記事では、皆さんが日々の生活で手軽に高画質体験を楽しむための、4Kアップスケーリングフリーソフトからテレビ内蔵機能、ゲームプレイ最適化まで、最新のアップスケーリング技術を徹底解説します。
4Kアップスケーリングとは?意味・必要性など

4Kアップスケーリングとは、低解像度の動画(フルHDやHD、SD画質など)を3840×2160ピクセル(4K解像度)に変換する技術です。例えば720p(1280×720)動画を4K化すると、ピクセル数が実に4倍に増加し、大画面テレビでも粗さが目立たない滑らかな映像が実現します。
単に拡大するだけでは画像は粗くなりますが、アップスケーリングは失われた情報を補完したり、ノイズを除去したりすることで、あたかも最初から4Kで撮影されたかのような滑らかで鮮明な映像を作り出します。
現在では、AIの進化により、より自然で高精度なアップスケーリングが可能になっています。
- ネイティブ4Kとの違い
- ネイティブ4Kは最初から4K解像度で撮影された映像ですが、アップスケーリングはAIが不足した画素を補完して擬似的に4K化します。以前は輪郭が不自然になる課題がありましたが、現在はディープラーニング技術の進化で、ほぼネイティブに近い品質が実現可能に。
- 4Kアップスケーリングの必要性
- 4K放送コンテンツは依然として限られており、BS右旋ではNHK BS4KやBS日テレ4Kなど数チャンネルのみ。左旋の専門チャンネルを視聴するには4K対応アンテナの設置が別途必要です。過去の思い出動画やDVD、ゲーム実況などを4Kテレビで美しく楽しむには、4Kアップスケーリング技術が不可欠なのです。
無料で始める!おすすめ4Kアップスケーリングソフト3選
手持ちの動画やゲーム画面をもっと高画質で楽しみたい! そんな願いを叶えるのが、AIによる4Kアップスケーリング技術です。
ここでは、無料で利用可能な人気の4Kアップスケーリングソフトをいくつかご紹介します。
4Kアップスケーリングソフト@、Aiarty Video Enhancer

Aiarty Video Enhancerは、古いホームビデオ、暗い色合いの動画、圧縮された動画、旧作アニメ、ゲームクリップなど、様々な低画質の動画を4K相当の画質に変換できます。変換された4K動画は、4K対応のテレビやゲーム機器(例えばPlayStation 5やXbox Series Xなど、4K動画再生に対応しているもの)で再生することで、より高精細で鮮明な映像体験を楽しむことができるでしょう。
ソフトウェア自体が直接テレビやゲーム機器に接続してアップスケールするわけではなく、あくまでPC上で動画を処理し、4K動画ファイルとして出力するものです。出力された4Kファイルを、USBメモリや外付けHDDなどを介してテレビやゲーム機器に読み込ませたり、対応するメディアサーバー機能などを利用してストリーミング再生したりすることになります。
Aiarty Video Enhancerの主な特徴と機能は以下の通りです。
- AI動画高画質化:
- 低解像度の動画を、AIモデルとアルゴリズムを用いて超高精細な4K動画に変換できます。細部までくっきりとした、安定した映像に仕上げることを目指しています。
- AIフレーム補間:
- 複数のフレームを同時に処理し、ちらつきを減らし、動きの連続性を維持します。フレームレートが低くてカクカク見える古いアニメやホームビデオなども、AIがより自然で滑らかな動きにします。
- AI音声ノイズ除去:
- 動画に混じった背景ノイズや雑音をAIが瞬時に検出し、低減することで、スタジオ品質のクリアな音声を生成します。
- Turbo高速化:
- 独自開発の「Turbo」モードは、NVIDIA RTX 30/40シリーズおよびAMD Radeon RX 6000/7000シリーズに最適化されており、処理効率を最大67%向上させることが可能です。
- オフライン処理:
- ダウンロード済みのAIモデルはオンライン接続が不要で、オフライン環境でもスムーズに作業を進めることができます。データが外部に送信されないため、安全性も高いとされています。
現在は、リリース記念キャンペーンとして90日間、180日間、または1年間の無料ライセンスコードが配布されているとのことなので、興味があれば試してみる良い機会かもしれません。
4KアップスケーリングソフトA、VideoProc Converter AI

VideoProc Converter AIは、動画、画像、オーディオ、DVDなど、多様なメディアファイルの処理に特化したオールインワンソフトウェアです。特に、最新版ではAI技術を積極的に取り入れることで、従来の動画変換・編集機能に加えて、画質向上、手ブレ補正、フレーム補間といった高度な処理が可能になっています。
「AI動画高画質化」機能は、低解像度の動画をインテリジェントに4K解像度まで引き上げることができます。これにより、YouTubeやネット配信、ゲーム録画、古いSD素材なども、現代の4Kテレビやプロジェクターでより鮮明に、高精細に楽しむことができます。
アップスケールされた4K動画は、一般的な4Kテレビであればそのまま再生可能です。ゲーム機器については、多くの最新ゲーム機(PlayStation 5やXbox Series X/Sなど)は4K動画の再生に対応しているため、USBメモリなどに入れて再生したり、対応するメディアサーバー経由でストリーミングしたりすることで楽しめます。
ただし、注意点として、AIによるアップスケールは元の動画の品質に依存します。非常に低画質な動画を4Kにしても、元の情報量がないため、完全にネイティブ4Kのような品質になるわけではありません。しかし、従来の単なる引き伸ばし(アップスケーリング)とは異なり、AIが詳細を生成・補間するため、大幅な画質向上が期待できます。
4KアップスケーリングソフトB、VLC Media Player

VLC Media Playerは、非営利団体であるVideoLAN Projectが開発した無料かつオープンソースのメディアプレーヤーおよびストリーミングメディアサーバーです。
このソフトウェアは、幅広いメディアファイル形式に対応しており、追加のコーデックなしでほとんどの動画や音声ファイルを再生することが可能です。また、Windows、macOS、Linux、Android、iOS、iPadOS、tvOS、ChromeOS、Xboxなどの多様なOSで利用できます。
最新バージョンでは4Kアップスケール機能が大きく強化されており、高画質な映像再生をテレビやゲーム機でも楽しむことができます。テレビの場合、VLCの「TVモード」により簡潔でリモコン操作に対応したインターフェースを利用できるほか、スマートフォン版VLCを使ってテレビへ直接ストリーミングすることも可能です。ゲーム機ではLinux版VLCをインストールしてローカル動画を再生できるほか、Plexなどのメディアサーバー経由でVLCライブラリにアクセスする方法もあります。
この汎用性の高いプレーヤーは、GPUを活用して効率的な4Kアップスケールを実現し、テレビとの接続やゲーム機との連携にも対応しています。ただし、ブルーレイ再生やTrueHDRへの対応はまだないため、これらの機能が必要な場合は目的に応じて有料ソフトや特化型ツールを併用することが推奨されます。
【選び方】4Kアップスケーリングソフトの徹底比較!
比較項目 | Aiarty Video Enhancer | VideoProc Converter AI | VLC Media Player |
価格 | 無料体験版あり(90日〜1年) | 有料(約42.95ドル)/体験版あり | 完全無料 |
主な用途 | プロ級映像修復 (古い動画・低解像度素材の4K化) |
マルチツール (変換・編集・ダウンロード+AI強化) |
メディア再生 (形式問わず再生可能) |
AI機能 | ✅ Diffusion + GAN技術で高精度修復 ✅ 4K/120FPS化 ✅ ノイズ除去・デブラー |
✅ 超解像度(4倍拡大) ✅ フレーム補間(480FPS) ✅ 手ブレ補正 |
🔺 簡易シャープネス調整のみ ❌ AIアップスケール不可 |
出力画質 | ⭐⭐⭐⭐⭐ ✅ ピクセル単位の詳細再現 ✅ 肌理・髪の毛まで修復 |
⭐⭐⭐⭐ ✅ 4K化可能 ✅ ノイズ抑制に優れる |
⭐ ✅ フィルタ適用で多少鮮明化 ✅ 解像度向上は不可 |
処理速度 | ⭐⭐⭐⭐ ✅ GPU加速対応(RTX 5090で25分/25分動画) |
⭐⭐⭐⭐⭐ ✅ ゲーム実況褪せを補正Level-3 ハードウェア加速 ✅ 47倍速変換 |
- (再生専用のため非該当) |
テレビ/ゲーム機対応 | ✅ MP4/H.265形式出力可能 ✅ 4K TV最適化 |
✅ 420+形式対応(PS5/Xbox対応コーデック含む) | ✅ 再生可能 ✅ 変換機能なし |
4K化→テレビ/ゲーム機再生 | 動画読み込み → AIモデル選択(例: superVideo vHQ)→ 4K/120FPS設定 → 出力(MP4/H.265)→ USBでTV接続して再生 | 動画読み込み → [AI強化]タブで超解像度4x適用 → 出力形式を「PS5用MP4」に設定 → 処理完了後DLNAでTV転送 | PCとTVをDLNA接続 → VLCで動画を開き[再生] → TV側でストリーム受信 |
選び方 | 画質重視で4K化したいなら:専門性が高く、AI修復品質が圧倒的。無料体験版で効果を確認可能 | 多機能&ゲーム機対応が必要なら:動画の変換・編集・AI強化を一括処理。PS5/Xbox用出力プリセットあり | 無料で手軽に再生したいなら:再生対応範囲が広く、DLNAでTV連携も容易。ただし画質向上機能は期待不可 |
4Kアップスケーリング:動画を4K画質に変換する方法
Aiarty Video Enhancerを使用して動画を4K品質にアップスケールする手順を以下のステップで詳しく説明します。
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Step1. Aiarty Video Enhancerをインストール
下記のダウンロードリンクからAiarty Video Enhancerを取得し、WindowsまたはMacにインストールしてください。
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Step2. ソフトを起動して動画を読み込む
ソフトウェアを起動後、「+」アイコンをクリックして、4K画質に変換したい動画ファイル(例: .mp4や.movなど)を選択して読み込んでください。
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Step3. 4Kアップスケールを行う
右側の「AI高画質化」設定パネルに進み、以下を選択します。
- AIモデル:細部の精密な再現を重視した「moDetail-HQ」、全体の鮮明度向上を目的とした「Smooth-HQ」、夜間や暗所撮影動画向けの「superVideo vHQ」から最適なモデルを選んでください。
- 拡大:出力解像度として「4K(UHD)」を選択します。
- Turbo:高速処理を希望する場合は、「Turbo」を有効化すると、変換速度が大幅に向上します。
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Step4. 出力形式と保存先を指定
変換後の出力フォーマット(MP4またはMOV)を指定し、保存先フォルダを設定します。
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Step5. 4K動画の書き出し
全ての設定が整ったら、「選択項目を書き出す」ボタンをクリックして変換を開始します。数分以内に4K画質に変換されます。
Aiarty Video Enhancerで動画の画質を向上させた際の効果は以下のようになります。
テレビ内蔵機能で手間なし!最新4Kテレビのアップスケーリング技術
最新モデルの高性能テレビは、専用AIチップで自動アップスケーリング。外部機器不要で手軽に高画質化できます。
LG「α11 AI Processor 4K Gen2」

低解像度コンテンツを4K品質に変換。映像を5,000以上の領域に分割し、エリアごとに最適化。AIがフレームごとの要素(エッジ、テクスチャ、奥行き)を分析し、ノイズ軽減と解像度向上を実現します。
- 対応機種:OLED M5/G5シリーズ
- 価格帯・選び方
- 🔺 現時点でM5/G5シリーズはアジア圏で先行発売。日本導入時は65/77インチが主力と予想され、価格は200万円台後半から。
- 🔺 G5/M5シリーズはAI Super Upscalingの性能が同等。無線化が必要ならM5、高リフレッシュレート(ゲーム)ならG5が適す
- 補助技術
- OLED Dynamic Tone Mapping Pro:HDRのハイライト/シャドウをシーンごとに最適化。
- AI Director Processing:映画監督の意図を再現する色調をAIで推定。
- 🔺 【実例】:YouTubeのHD動画や従来の放送番組を4Kテレビで視聴する際、ぼやけや輪郭のにじみを軽減し、精細な画質を提供。
- 制限事項
- OTTサービス上の著作権保護コンテンツには適用不可。
- ソース解像度によって画質向上効果が異なる(例:HD→4Kは顕著、SD→4Kは限定的)。
ソニー「4K X-Reality PRO」

ソニーの「4K X-Reality PRO」は、主にミドルハイエンドクラスのブラビアテレビシリーズに搭載されている、画質向上を目的とした超解像エンジン技術です。
- 対応機種:OLED M5/G5シリーズ
- 価格帯・選び方
- 🔺 12万〜80万+
- 🔺 究極のコストパフォーマンスを求めるなら、X80Lシリーズ(例: KJ-43X80L)で十分と言えます。一方で、HDRやダイナミックパフォーマンスに重点を置きたい場合は、X90LやX95Lシリーズに投資する価値があるでしょう。
- コア機能
- 超解像処理:圧縮や送信によって失われた細部を修正し、画像のオリジナルの質感を取り戻します。
- 4Kアップスケーリング:HDやSD動画を4K解像度に変換し、色彩やコントラストをより一層最適化。
- 測定結果
- 🔺 通常のフルHDテレビと比較して、4K X-Reality PROを搭載したテレビでは、同じHDコンテンツがより鮮やかで立体的になり、細部(水滴、テクスチャなど)が大幅に向上します。
- 🔺 アニメーションやドキュメンタリーなどのカラフルなシーンに特に適していますが、ネイティブ4Kコンテンツに追加の最適化はありません。
パナソニック「4Kダイレクトクロマ」

Panasonicの「4Kダイレクトクロマ」は、映像のアップコンバート技術の中でも特に色情報の処理に特化した独自方式です。動画を4K解像度へ高精細化する機能を持ちます。
- 代表機種:DMP-BDT180-K、DMR-UBZ1020/UBZ2020、DMR-ZR1
- 価格帯・選び方
- 🔺 1万〜10万+
- 🔺 予算に応じて、UBZシリーズ(中級)やZR1(高級)の選択がおすすめです。
- 従来方式との違い
- 🔺 一般的なアップコンバートは、解像度変換の過程で色信号(クロマ)を一旦圧縮(ダウンサンプリング)してから再構築します。これに対し、4Kダイレクトクロマはハイビジョン信号から直接4K信号を生成するため、色情報の劣化を最小限に抑えられます。
- 対応ソース
- 地上デジタル放送(1080i)
- Blu-ray/DVD(1080p/480p)
- 4Kカメラで撮影した動画(MP4/MOV形式)
- 限界点
- DVDのアップコンバートは解像度の制約から、Blu-rayほどの高精細化は不可能。
- 元素材の画質(ノイズ量・圧縮率)によって結果が異なります。
ゲームプレイを革新!4Kアップスケーリング活用法
PS5やXbox Series Xはネイティブで4K解像度をサポートしていますが、過去のゲーム実況動画やSwitchなどのフルHD解像度のゲームを大画面で楽しむ場合、アップスケーリング機能が効果的です。
テレビのゲームモード最適化
LGの「ゲームダッシュボード」機能では、入力遅延を抑えながらAIによるアップスケーリングが適用されます。その結果、FPSゲームなどの細かい動きやディテールも鮮明に表示されます。
- ソフトウェア活用例
- Aiarty Video Enhancerの「superVideo vHQ」モードを使用すると以下のメリットがあります:
- ゲーム実況動画内の文字やUIをシャープに再現
- スローモーション効果でアクションシーンをより劇的に表現
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低解像度→4K変換ソフト - 驚異の4K画質アップスケーリング
細部まで鮮明かつ安定した映像表現を実現します(最大4K画質対応)。さらに、AI音声ノイズ除去や最大120FPSのフレーム補間、Turbo加速技術など、多様な機能を備えています。これにより、動画の高画質化を高い完成度で達成可能です。
クラウドゲーミング対応
GeForce NOWで配信される720pのゲームストリームを4Kにアップスケーリングすることで、通信負荷を抑えながら高精細なゲームプレイ体験が可能になります。
まとめ:4Kアップスケーリングで、映像体験をアップデートしよう!
現在、4Kテレビの普及とAI技術の進化により、4Kアップスケーリングは私たちの日常に欠かせない技術となりつつあります。古いお気に入りの映画をより鮮明に、ゲームをより美しく楽しむために、ぜひ今回ご紹介した情報を参考に、4Kアップスケーリングの世界を体験してみてください。
きっと、あなたの映像体験がワンランクアップすること間違いなしです!

この記事を書いた人:ミユキ
Digiartyに従事し、現在は主にAI系の記事制作(人工知能ソリューションの活用方法、ソフトウェア、トレンド情報)を担当しています。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。