【無料・自動】イラレ(Illustrator)での背景透過ガイド(切り抜きから書き出しまで)と注意点を解説!
![イラレ背景透過](seo-img/transparent-background-in-illustrator.jpg)
Adobe Illustrator(アドビイラストレーター)は、プロフェッショナルなデザイナーから初心者まで幅広く愛用されている、業界標準のベクターグラフィックデザインソフトウェアです。背景の透過処理は、その中でも最もよく使われる機能の1つで、作成したグラフィックを他のデザインに自由に組み込むことができます。
この記事は、イラレでの背景透過ガイド(切り抜きから書き出しまで)と、作業を確実に完了するための注意点を詳しく解説します。
(1)、【無料・自動】イラレ(Illustrator)での背景透過ガイド
Illustratorでの背景透過には、画像の複雑さや用途に応じて様々な手法があります。以下で、代表的な方法をご紹介します。
方法1:Illustratorのペンツール・クリッピングマスクで背景を透過する
Illustratorのペンツールには、直接背景を透過させる機能が組み込まれていません。ただし、ペンツールを使用してパスを作成し、クリッピングマスクを適用することにより、画像の特定の部分や領域を正確に切り抜き、背景を透過させることが可能になります。
このペンツールは背景透過作業において非常に強力で柔軟性の高いツールとして知られており、クリッピングマスクと組み合わせることで、円形や多角形、曲線など、あらゆる形状の切り抜きを自由自在に行うことができます。
さらに、パスの編集や調整も簡単にできるため、細かな修正や微調整も思いのままです。
- 1Adobe Illustratorを起動し、左上の「ファイル(F)」→「配置(L)」から切り抜きたい画像を選択します。
- 2左部のツールバーから「ペンツール(P)」を選択し、保持したい画像の輪郭に沿って丁寧にパスを描きます。クリッピングマスクの作成には閉じたパスが必要です。
- 3画像とペンツールで描いたパスを選択し、「オブジェクト(O)」メニューから「クリッピングマスク(M)」→「作成(M)」を選びます。これで、パスの外側が非表示となり、パス内の部分だけが表示されます。
- 4左上の「ファイル」→「書き出し」→「Web上に保存」を順にクリックすると、プリセット画面が表示されます。「名前」で「PNG-8」または「PNG-24」を選択し、「透明部分」と「アートボードサイズでクリップ」にチェックを入れることで、背景を透過した状態で保存できます。
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ペンツールを使用することで、細かいディテールまで正確に切り抜くことができ、プロフェッショナルな仕上がりを実現できます。ただし、このツールの効果的な使用方法を習得するには、ある程度の時間と練習が必要となります。
また、複雑な形状の切り抜きには、基本的な操作方法だけでなく、アンカーポイントの適切な配置やハンドルの調整など、より高度なテクニックの理解も求められます。
方法2:Illustratorの「画像トレース」と「マスク」機能で背景を透過する
画像トレースとマスク機能を組み合わせると、複雑な形状や細かいディテールを持つ画像でも、背景を高精度に透過できます。髪の毛などの繊細なエッジ処理も、クリアな切り抜きが可能です。
この手法は、商品写真の編集、グラフィックデザインの精密な切り抜き作業、複数画像を組み合わせたフォトコラージュの作成など、プロフェッショナルな仕上がりが求められる場面で特に威力を発揮します。
- 1Illustratorで編集したい画像を開きます。
- 2選択ツール(Vキー)を使用して画像を選択し、Ctrl+C(コピー)とCtrl+F(前面へペースト)で新しいレイヤーを複製します。
- 3上部のレイヤーを選択し、「オブジェクト(O)」→「画像トレース」→「作成(M)」で画像をベクター形式に変換します。画像の複雑さによって、トレース設定を調整してください。
- 4トレースが完了したら、「オブジェクト(O)」→「画像トレース」→「拡張(E)」を選び、トレース結果を編集可能なオブジェクトにします。
- 5必要に応じて、マスクで不要な部分を隠せます。オブジェクトを選択してクリッピングマスクを作成し、表示範囲を調整します。
![イラレ背景透過](seo-img/transparent-background-in-illustrator-05.jpg)
![イラレ背景透過](seo-img/transparent-background-in-illustrator-06.jpg)
画像トレースは、エッジがはっきりしていて、コントラストの高い画像に適していますが、複雑な画像の場合は追加の調整が必要になることがあります。
「画像トレース」を使用する際は、より良い変換結果を得るために、画像の品質が高いことを確認してください。切り抜き完了後は、エッジを確認して調整し、切り抜きが綺麗で自然な仕上がりになるようにしてください。
方法3:透明グリッド
Adobe Illustratorの透明グリッドを使用して画像を切り抜くことは可能ですが、注意点があります。
透明グリッドは主にパース図の描画・編集用のツールで、切り抜き機能を直接サポートしていませんが、以下の手順で透明グリッド上での切り抜きができます。
- 1メニューバー「表示」→「透明グリッドを表示」を選択します。ショートカットキー(Windows:Ctrl+D、Mac:Command+D)でも表示できます。これでアートボードの背景が透明グリッド表示になります。
- 2「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」を選択します。
- 3書き出しパネルで、ファイル名と保存先を設定し、ファイル形式からPNGを選択します。
- 4PNGオプションパネルで、以下の設定を行います。
- @解像度:スクリーン(72ppi)
- ※Web用なら「スクリーン(72ppi)」、印刷用なら「高解像度(300ppi)」を選択してください。
- Aアンチエイリアス:アートに最適(スーパーサンプリング)
- ※画像のエッジを滑らかにする設定です。これを使用しないと、画像が粗くなる可能性があります。
- B背景色:透明
- 5書き出した画像をプレビュー表示で確認します。
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![イラレ背景透過](seo-img/transparent-background-in-illustrator-08.jpg)
![イラレ背景透過](seo-img/transparent-background-in-illustrator-09.jpg)
透明グリッドは描画や編集用に設計されており、専門的な背景透過ツールではありません。このツールで切り抜きを行う際は、いくつかの制限や不便な点が生じる可能性があります。
そのため、より正確な切り抜きが必要な場合は、Photoshopなどの専門的な画像処理ソフトを使用するか、通常の描画環境で切り抜きを行った後にIllustratorへインポートして編集することをお勧めします。
Illustratorでの背景透過は一見難しく見えますが、基本的な手順を覚えれば誰でも簡単に実行できます。PNG形式での書き出し、レイヤーの整理、不要なオブジェクトの削除などに気を配ることで、きれいな透過処理が可能です。
上記で紹介した3つの方法には、それぞれメリットがあります。具体的なニーズと画像の特性に応じて、最適な方法を選択して、Illustratorでの背景透過作業を効率的に進められます。
(2)、イラレ(Illustrator)で透過処理を行う際の注意点
イラレ(Illustrator)での背景透過作業は、デザインの可能性を広げる効果的な手法です。ただし、いくつかの注意点があります。
- 保存形式
- 背景を完全に透過させるにはPNG形式での保存が一般的です。JPEG形式の場合、透過部分が白く表示されてしまうことがあります。
- レイヤー構造
- 透過オブジェクトを他のオブジェクトと重ねて配置する場合は、レイヤー構造を整理しておくと後の編集作業がスムーズになります。
- クリッピングマスク
- クリッピングマスクを使用する場合は、マスク用オブジェクトとマスク対象オブジェクトの位置関係を正しく設定してください。
- ベクターデータ
- 透過処理はベクターデータでの作業が最適です。ラスタ画像をベクター化すると画質が低下する可能性があります。
- 解像度の設定
- 印刷用データやWeb用データの場合は、用途に応じて高解像度での保存やファイルサイズを考慮し、適切な解像度を選択してください。
(3)、イラレ(Illustrator)の代わりになる背景透過ツール
Illustrator以外に、背景透過に特化したツールや、画像編集ソフトの機能を活用することで、効率的に背景を透過することができます。
Aiarty Image Mattingは人工知能を活用して画像の背景を自動的に除去し、前景のオブジェクトを切り出すことができるツールです。複雑な背景や、髪の毛など細かい部分の切り抜きも、高精度で行えることが特徴です。
- 高精度な切り抜き
- 人工知能が画像を分析してオブジェクトと背景を正確に識別することで、従来の手作業による切り抜きよりも精度の高い結果を実現できます。
- 作業時間の短縮
- 手作業では数時間かかる処理を、わずか数秒から数分で完了できます。
- バッチ処理
- 複数の画像を一括で処理できるため、大量の画像を効率的に処理できます。
- 複雑な背景にも対応
- 髪の毛などの繊細で複雑な形状も、スムーズに切り抜くことができます。
機能/ソフト | イラレ(Illustrator) | Aiarty Image Matting |
---|---|---|
主な機能 | ベクターグラフィック作成、イラストレーション、レイアウトデザイン |
AI背景透過、画像切り抜き |
強み | 精度の高いベクター画像作成、柔軟なデザイン編集、様々な形式への出力 |
AIによる高精度な背景透過、複雑な形状の切り抜き、バッチ処理 |
弱み | 背景透過に特化していない、学習コストが高い |
詳細な編集が難しい場合がある、ベクターデータの作成は不得意 |
対象ユーザー | グラフィックデザイナー、イラストレーター、DTPオペレーターなど、高品質なデザインを作成したい方 |
Eコマース、ブログ運営者、写真家など、大量の画像の背景透過をしたい方 |
価格 | 有料ソフトウェア |
無料プランあり、有料プランあり |
操作性 | 多機能のため、ある程度の学習が必要 |
比較的簡単、直感的な操作が可能 |
- 1Aiarty Image Mattingを起動し、左下の「追加」→「画像追加」から、背景を透過したい画像を選択します。
- 2画像を読み込んだら、右側のプロパティパネルで写真のジャンルに合った「AIモデル」を選び、「背景透過 開始」をクリックします。
- 3数秒から数十秒で背景透過が完了し、処理された画像がプレビューウィンドウに表示されます。
- 4背景が正しく透過されていない箇所がある場合は、左側のメニューバーの編集ツールで調整できます。
- 【消しゴム】:余計な部分を削除します。
- 【ブラシ】:切り抜きすぎた部分を元に戻します。
- 【覆い焼きツール】:被写体やエッジの透明度を上げます。
- 【焼き込みツール】:被写体やエッジの透明度を下げます。
- 5「書き出し」をクリックし、完成した画像をPNG形式(*.png)で保存します。
![Aiarty Image Matting背景透過](seo-img/adobe-express-transparent-background-04.jpg)
![Aiarty Image Matting背景透過](seo-img/adobe-express-transparent-background-05.jpg)
![Aiarty Image Matting背景透過](seo-img/adobe-express-transparent-background-06.jpg)
![Aiarty Image Matting背景透過](seo-img/adobe-express-transparent-background-07.jpg)
- 簡単操作:AIが自動で写真から背景をすばやく除去してくれる。
- 高精度:最先端のAI技術で、細かく複雑な形状も綺麗に切り抜く。
- 豊富な機能:背景加工、透明度調整、高解像度化など機能も備える。
- 完全無料:全機能が無料でコストを気にせずに導入しやすい。
- 一括処理:最大3,000枚の画像を同時にバッチ処理できる。
![編集者:ミユキ](../images/seo-img/author-miyuki.png)
この記事を書いた人:ミユキ
Digiartyに従事し、現在は主にAI系の記事制作(人工知能ソリューションの活用方法、ソフトウェア、トレンド情報)を担当しています。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。