Stable Diffusionで背景なしの画像を生成する完全ガイド:拡張機能と専用ツールの活用テクニック
Stable Diffusionは、人気のAIアート生成ツールですが、特定の用途によっては背景なしの画像が必要になることがあります。
この記事では、Stable Diffusionで背景を削除して背景なしの画像を作成するための具体的な方法を、わかりやすく解説します。
AIアート画像を高画質化&アップスケールするために最適なツール:Aiarty Image Enhancer
Stable Diffusionは、出力できる最大解像度に制限があるため、生成された画像が時折、軽微なアーティファクトや細部の欠如を示す場合があります。特に、大きなプリントや細部を精密に分析したい場合には、こうした制限が不便に感じられることもあるでしょう。
そこで、Aiarty Image EnhancerのようなAI画像強化ツールを活用することで、画像を劣化させることなく解像度を上げ、より鮮明で詳細な出力を得ることができます。Aiartyは、欠落しているピクセルに対してもAI技術を用いて詳細を補完し、全体の画像をよりリアルで洗練されたものに仕上げます。
Stable Diffusionはプロンプトだけで背景なしの画像を生成できるか?
Stable Diffusionは高品質な画像を生成するのに適したAIツールですが、現在のモデルではプロンプトだけで完全に背景を削除した状態の画像を生成することはできません。
例えば、キャラクターや物体だけをプロンプトに指定しても、背景が存在する画像が生成されます。
これは、AIが背景も含めたシーン全体を描写する設計になっているためです。
そのため、背景なしの画像を作成したい場合、画像生成後に背景を削除する手順が必要になります。
Stable Diffusionで背景なしの画像を生成する方法
Stable Diffusionで作成した画像の背景を除去するには、拡張機能を使う方法と、専門の背景削除ソフトを活用する方法があります。それぞれにメリットがあり、用途に応じて使い分けることで、背景なしの高品質な画像を簡単に作成できます。
ここからは、拡張機能と専門の背景リムーバーの2つの方法に分けて、背景を綺麗に取り除く手順を紹介していきます。
拡張機能を利用して、Stable Diffusionで背景なしの画像を生成するする方法
Stable Diffusionでは、背景を直接削除した画像を生成することはできませんが、一部の背景除去の拡張機能を活用することで、背景なしの画像を作ることが可能です。Stable Diffusionは実際に、まず背景のある画像を生成してから、拡張機能機能によって、生成した画像の背景を削除するのです。
代表的な背景削除ツールには以下のものがあります。
- ABG Remover:https://github.com/KutsuyaYuki/ABG_extension
- rembg:https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui-rembg
- sd_katanuki:https://github.com/aka7774/sd_katanuki
ABG Removerとsd_katanukiは直接にtext2imgモードで利用できます。「Script」エリアで、背景削除拡張機能に指定したら、普通の画像を生成すると同時に、背景なしの画像、全体を白黒のマスクで表示する画像も一緒に生成します。
手順1. 拡張機能のインストール
背景を除去するための拡張機能を導入します。ここでは、sd_katanukiという拡張機能をローカル環境にインストールする手順を例にします。
❶ Stable Diffusionを起動して、「Extension」のタブをクリックします。
❷ 「Install from URL」に拡張機能のURLを入力します。
❸ 「Install」をクリックしたら、この背景除去拡張機能がローカルにインストールされます。
❹ 「Installed」タブで「Apply and restart UI」/「Apply and quit」ボタンを押しStable Diffusionを再起動したら、この背景除去拡張機能が利用できます。
手順2. Stable Diffusionで背景なしの画像を生成する
普段のように、プロンプトやSeed値などを設定して、「Script」エリアで、「katanuki」に指定して、「Background」を「Transparent」に設定します。最後に、「Ganerate」をクリックしたら、Stable Diffusionが背景のある画像、背景なしの画像、全体を白黒のマスクで表示する画像という3つの種類が生成されます。
専用の背景削除ソフトでStable Diffusionで生成した画像の背景を除去する方法する方法
Stable Diffusionではプロンプトだけで背景なしの画像を直接生成できないため、先述のように拡張機能を利用して背景を削除する方法を紹介しました。しかし、Stable Diffusionの拡張機能で背景を完全に綺麗に取り除けない場合は、専用の背景リムーバーを使用することをおすすめします。特に、AI技術を搭載した背景削除ツールを活用することで、より高精度な背景除去が可能です。拡張機能で満足のいく結果が得られなかった場合でも、このような専用ツールを使うことで、細部まで正確に背景を削除できます。
背景削除ツールの例
- PicWish
- Remove.bg
- Photoroom
特におすすめなのが、PicWishというパソコン用画像背景リムーバーです。PicWishは、AIを活用した非常に優れた背景除去ソフトで、パソコン上で簡単に画像の背景を消去できます。PicWishは全自動で瞬時に結果を出し、その後に細かい部分を微修正したり、その他のツールを使って創造的な操作を行ったりすることができます。
PicWishでStable Diffusionで生成した画像の背景を透過する方法
❶ Stable Diffusionで背景のある画像を生成する
まず、Stable Diffusionを使って通常のプロンプトで画像を生成します。
❷ PicWishにStable Diffusionで生成した画像をインポートする
PicWishを開き、「背景透過」というモジュールを選択して、「ファイルを選択」によってStable Diffusionで生成した画像をソフトにインポートします。
❸ 背景なしの画像を保存
PicWishが自動的に画像の背景を削除して結果を表示させます。調整したいところがあったら、「調整」をクリックします。完了後、「すべて保存」ボタンをクリックしたら、背景なしの画像がパソコンに保存されます。
最後に
Stable Diffusion単独では背景なしの画像を直接生成するのは難しいですが、拡張機能や専用の背景削除ツールを利用することで、誰でも簡単に背景なしの画像を作成できます。特にPicWishのようなAI搭載のツールは、手間をかけずに高精度な結果を得られるため、背景除去作業に最適です。
この記事を書いた人:なな
画像処理と人工知能に興味があります。AI技術を活用した画像高画質化、生成、背景透過・変更についての記事を執筆し、読者にわかりやすく手法やソフトの使い方、問題点を伝えています。