【解説】AviUtlで色調補正をかけるやり方|基本操作から高度なテクニック、よくある失敗と対処法まで

映像制作をしていると、「暗くて見えにくい」「なんだか色味がイマイチ…」「白飛びしてしまった」といった悩みはありませんか?
実は、無料で使える動画編集ソフト「AviUtl」には、こうした映像の悩みを解決できる色調補正機能が充実しています。
この記事では、AviUtlでできる色調補正のやり方を基本操作から高度なテクニック、よくある失敗と対処法までやさしく解説します。初めて使う方でも迷わず、手持ちの暗い・白飛び・くすんだ動画をAviUtlで補正することができます。
1、AviUtlで色調補正をかけるフィルタ(エフェクト)
AviUtlで色調補正をかけるには、「色調補正」「拡張色調補正」といった2つのフィルタ(エフェクト)を使用することができます。
- 色調補正
- 動画の色調を補正するときに最も基本的で多用されるフィルタで、動画の「明るさ」「コントラスト」「色相」「輝度」「彩度」「飽和する」を調節することができます。
- 明るさ:映像全体を明るく・暗く調整できます。暗すぎる映像や明るすぎる映像の補正に使用します。
- コントラスト:明暗差を強調できます。値を上げるとキリッとシャープな印象に、下げると柔らかく穏やかな印象になります。くっきりした映像にしたいときに有効です。
- 色相:色味を変化させます。青っぽく、赤っぽくなど雰囲気を変えられます。すべての色が一括して変化するため、全体の色調を変えたい時に使用します
- 輝度:光の強さを調整できます。暗部やハイライトを潰さずに中間調の明るさを調整できるのは特徴です。白飛びを抑えるのに便利です。
- 彩度:色の鮮やかさを調整できます。値を上げると色が鮮やかになり、視覚的なインパクトが強まります。値を下げるとくすんだ印象になり、落ち着いた雰囲気や懐かしい雰囲気を演出できます。0%にするとモノクロームになります。
- 飽和する:彩度を極端に上げた場合の表現です。色が強すぎてベタッとした感じになるので、基本的にはあまり使いません。


スマホやカメラで撮影した動画が暗すぎて何も見えない…今回は、PCやスマホで暗い動画を明るく、鮮明に補正する方法を詳しく解説します。さらに手軽に使える無料ソフトやアプリも紹介するので、誰でも簡単に鮮明な映像に仕上げられます。
- 拡張色調補正
- 拡張色調補正はより精密な色調補正ができるフィルタです。主にカラーグレーディングといった用途によく使われています。
- 「拡張色調補正」は大きく分けて「YCbCr」と「RGB」の2つの項目があります。
- YCbCr:輝度と色差を調整できます。
- Y:輝度を調節します。値を上げると、画面全体を明るくなります。
- Cb:青と黄色のバランスを調節します。値を上げると、青みが強くなります。値を下げると、黄色みが強くなります。
- Cr:赤と緑青のバランスを調節します。値を上げると、赤みが強くなります。値を下げると、青緑みが強くなります。
- RGB:三原色を調整できます。
- R:赤色を調節できます。値を高いほど、「赤色」っぽくなります。
- R:緑色を調節できます。値を高いほど「緑色」っぽくなります。
- B:青色を調節できます。値を高いほど、「青色」っぽくなります。
- 更に、「YCbCr」と「RGB」それぞれの項目は「offs(足し算で補正する)」「gain(掛け算で補正する)」「gamm(ガンマ補正的に掛け算で補正する)」に応じて細分化しています。

一見似ているように見えますがその機能と用途には明確な違いがあります。自分の目的に応じて選んでください。
2、AviUtlで色調補正をかけるやり方(基本編)
以下の手順に従って、AviUtlの「色調補正」「拡張色調補正」フィルタで動画の色調を補正することができます。
step1. AviUtl本体と拡張編集プラグインの導入
AviUtl単体でも編集は可能ですが、色調補正を含む本格的な編集を行うには 拡張編集プラグインも必須です。
動画の色調補正を始める前に、AviUtl本体と拡張編集プラグインを導入する準備を整えておくことが大切です。
AviUtl本体と拡張編集プラグインをパソコンにダウンロード・インストールするには、こちらへ
- https://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
step2. 対象となる動画ファイルを読み込む
AviUtlを起動し、「ファイル」>「ファイル追加」をクリックする、またはドラッグ&ドロップすることで、色調を補正したい動画ファイルをタイムラインに読み込みます。
これで、タイムライン形式で編集ができるようになり、動画の色調補正が行えます。

step3. 色調を補正するためのフィルタを適用する
準備ができたら、AviUtlの「色調補正」「拡張色調補正」といったフィルタで動画の色調を補正する操作を見ていきましょう。
- 「動画全体に色調補正をかける場合」
- (1)本体メニューの「設定」をクリックし、「色調補正の設定」または「拡張色調補正の設定」をクリックします。
- (2)設定ダイアログが表示さるので、色調を補正するための各項目を理想の見た目になるまで微調整します。

- 「動画レイヤー(オブジェクト)ごとに色調補正をかける場合」
- (1) AviUtlのタイムライン上から編集したい動画(オブジェクト)を選択します。
- (2) 右クリックして「フィルタ効果」を選択し、一覧メニューから「色調補正」または「拡張色調補正」を選ぶと、設定ダイアログが表示されます。
- (3) プレビュー画面で確認しながら、色調を補正するための各項目を理想の見た目になるまで微調整すればよいです。

step4. 補正後のファイルを出力する
すべての色調補正が終わったら、上部のメニューから「AVI出力」または「プラグイン出力」を選択し、動画を書きだすことができます。

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- 🎥 AI自動高画質化 - ぼやけた映像の鮮明化、暗い映像を明るく補正、彩度・コントラストを最適化;
🌈 手動カラー補正 - ニーズに応じて色合いを繊細に調整できる;
🌈 AIアップスケーリング - SDまたはHD解像度から1080P、4Kまで変換;
🎶 AI音声ノイズ除去 - 動画の背景雑音をサッと消去;
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- AviUtlで色調補正をかけるおすすめ設定(シーン別)
- ✅ 自然な風景映像:
- 彩度:+10〜15%(自然の色彩を鮮やかに表現)
コントラスト:+5〜10%(空と雲のコントラストなどを強調)
輝度:+5%(全体的に明るく爽やかな印象に)
ハイライト:-5%(白とびを防止)
シャドウ:+5%(暗部のディテールを保持) - ✅ 夕暮れのシーン:
- 色相:やや赤みを強く(+5〜10)、暖かい印象に
明るさ:-5%(夕暮れの雰囲気を強調)
彩度:+10%(夕焼けの色をより鮮やかに)
ハイライト:オレンジ系を少し強調 - ✅ クールな印象にしたい場合:
- 色相:やや青みを強く(+5〜10)
彩度:-5%(落ち着いた印象に)
コントラスト:+10%(シャープな印象に)
輝度:-3%(少し暗めでクールな印象に) - ✅ セピア調(懐かしい印象):
- 色相:+30〜40(セピア色に近づける)
彩度:-20〜30%(現代的な鮮やかさを減らす)
明るさ:-5%(少し暗めでアンティークな印象に)
コントラスト:+5%(ディテールを保持)
ノイズ:軽く追加(フィルム風の質感を演出) - ✅ ポートレート(肌の色を自然に):
- 色相:+2〜3(肌の色を健康的に)
彩度:-5〜10%(肌の色を自然に)
輝度:+5〜8%(肌を明るく)
シャドウ:+10%(肌の影を柔らかく)
特定の色域の調整:赤みを少し抑え、肌色をより自然に - ※数値はあくまで目安です。映像に合わせて微調整しましょう。
3. AviUtlで色調補正をかける高度なテクニック
AviUtlでの色調補正は、明るさやコントラストを調整する基本的な作業だけでなく、部分的な補正やフィルタの組みわせ、LUTフィルタ、外部スクリプトを活用することで、プロフェッショナルな色調補正が可能になります。
ここでは基本を踏まえたうえで試したい「高度な色調補正テクニック」を紹介します。
❶. 動画画面の一部に色調補正をかける
AviUtlには、動画全体はもちろん、画面の一部に色調補正をかけることもできます。
- 部分的に色調補正をかける手順は以下の通りです。
- (1) AviUtlのタイムライン上で右クリックし、「フィルタオブジェクトの追加」>「部分フィルタ」を選択します。すると、タイムラインに「部分フィルタ」オブジェクトが追加されます。
- (2) 「部分フィルタ」の設定ダイアログを開き、部分フィルタの適用範囲を細かく調整します。
- (3) 「部分フィルタ」の設定ダイアログに「+」マークをクリックし、「色調補正」または「拡張色調補正」を選択します。
- (4) その後、必要に応じて、「色調補正」または「拡張色調補正」の各項目を調整します。
これで、動画画面の一部に色調補正が適用されます。特に、人物だけを明るくする/背景だけを暗くする場合に便利です。
❷. 複数のフィルタを組み合わせる
AviUtlには、様々なフィルタは存在していまます。単なる色調補正で不十分な場合、他のフィルタを重ねて使うと自然に仕上がる可能性もあります。例えば、
✅ 色調補正+ガンマ調整 → 明暗を滑らかに
✅ 色調補正+シャープフィルタ → コントラストを強調しつつ輪郭をくっきり
❸. LUTフィルタを活用して色調補正を実現する
LUTフィルタは、あらかじめ保存された色調データを適用して、映像全体を一瞬で別の雰囲気に変えるプリセットデータです。
LUTフィルタを使用することで、初心者でもプロ仕様の色調補正が可能です。例えば、
✅ 映画風(シネマティック
✅ レトロ調
✅ モノクロ風
といった変化を簡単に実現できます。
AviUtlではプラグインを導入することでLUTが利用可能になります。少し上級者向けですが、導入すれば映像の完成度が一気に上がります。
インターネット上で無料・有料のLUTフィルタは数多く存在しているので、自分のニーズ仁応じて入手することができます。
❹. AviUtlの外部スクリプトを導入することでプロ級の色調補正を行う
AviUtlの強みのひとつが、ユーザー有志による 外部スクリプト(プラグイン) の豊富さです。外部スクリプトを導入することで、標準機能では難しい高度な色調補正が可能になります。例えば、
✅ ティム氏の「色調調整セット」:プロ級のカラーグレーディング
✅ ColorMill:高度なカラーコレクション機能
✅ Auto Color Match:複数クリップの色調自動統一
初心者たちは基本の色調補正フィルタだけでも十分ですが、さらに高度な色調補正の処理を行い場合は外部スクリプトを導入してみましょう。
4. AviUtlで色調補正をかけるときによくある失敗と対処法
色調補正を始めたばかりの頃によくある失敗と、その対処法を詳しく解説します。
失敗例1:彩度を上げすぎて不自然になった
対処法 → 彩度は少しずつ調整しましょう。+20%を超えると不自然になりがちです。
失敗例2:明るさを調整したら白飛び(黒つぶれ)した
対処法 → 明るさではなく、ガンマや輝度で調整しましょう。

この記事では、動画の白飛びを補正するフリーソフトやアプリを7つ紹介します。中でもにAI自動補正ツールもいくつかあるので、ワンクリックで白飛び補正も可能です。あなたに合ったツールを選んで、白飛びした動画を直してみましょう。
失敗例3:色味が思ったように調整できない
対処法 → 1つの効果で全てを調整しようとせず、複数の効果を組み合わせて少しずつ調整しましょう。
失敗例4:色かぶりで全体が変な色に
対処法 → 拡張色調補正でRGBを個別に調整してみしょう。
失敗例5:補正後、画質が劣化した
対処法 → 各設定値の変更は穏やかに、極端な調整は避けましょう。また、レンダリング設定の品質も確認してください。
更に、「色調補正をかける前・後に動画の画質を向上させたい」という方には、AIを使った動画画質自動補正ツールがおすすめです。
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Aiarty Video Enhancer - AI動画高画質化・アップスケーリング
対応OS:Windows 10/11;MacOS 13.0またはそれ以降
特徴:AI高画質化、最大4Kまで向上、一括処理対応
操作性:シンプルで使いやすい(初心者〜中級者向け)
Aiarty Video Enhancerは、AI技術を活用した動画高画質化・アップスケールソフトです。以下の特徴があります。
- 特徴
- ✅ AIによる画質向上(ノイズ軽減・ディテール強化・鮮明化・カラー補正)を簡単に実現;
- ✅ 画質を損なうことなく、美しい4Kビジュアルにアップスケール;
- ✅ カラー補正機能で好みの色味を繊細に調整;
- ✅ AIが背景音声のノイズを自動で除去してくれる;
- ✅ バッチ処理による一括変換;
- ✅ ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つ;
- ✅ 高速・安全に処理できる;
高画質化と色調補正機能を兼ね備えたので、Aiarty Video Enhancerで元の素材の画質制限に悩まされることなく、理想的な色調補正を実現できます。更に、AviUtlで補正した後の動画の画質を上げたいときにも非常に役立ちます。
Aiarty Video Enhancerの使い方
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Step1.準備として、「Aiarty Video Enhancer」をパソコンに導入します。
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Step2. ソフトウェアを起動し、「+」ボタンをクリックし、対象となる動画ファイルを読み込みます。
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Step3.「AIモデル」と「拡大」を選択すると、動画の画質を向上させます。
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Step4. 「カラー」にチェックを入れると、「色温度 & 色合い」、「露光」「コントラスト」「彩度」「シャドウ / ハイライト」「ホワイト」「ブラック」を調整することができます。
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Step5. 設定が完了したら、「プレビュー」をクリックし、処理前と処理後の比較をリアルタイムで確認します。
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Step6. 最後には「選択項目を書き出す」を押せば処理が開始します。
まとめ
AviUtlの色調補正機能を使えば、暗い・白飛び・くすんだ映像も、見やすく美しい仕上がりに整えられます。
最初は「明るさ・彩度・色合い」を少しずつ調整するだけで十分です。慣れてきたらLUTフィルタの適用等に挑戦して、動画を自分らしい色味に仕上げてみましょう。
さらに、色調補正だけでは限界がある「低解像度」「古い映像」の場合には、AIを活用した高画質化ソフト Aiarty Video Enhancerを組み合わせるのもおすすめです。自動でノイズ除去や解像度向上ができるため、AviUtlの編集と併用することで、より理想的な映像を実現できます。
- AI超解像:アニメ・古い動画をAIで4Kアップスケーリング。
- 自動補正:フレーム補間、カラー補正、ノイズ・雑音除去などを自動処理。
- 細部復元:ぼやけた映像や不鮮明な部分もAIが高精度に補正。
- 高速処理:Turboモードにより最大3倍の処理スピードを実現。

この記事を書いた人:莉子
AI(人工知能)を活用したツールとその活用法等に関するコンテンツ制作を担当しています。読者目線で分かりやすいAI系の記事作りを心がけています。